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フイルムからモニターへ レントゲンあれこれ よくある質問…どうする

フイルムからモニターへ(初級ガイド)

レントゲンじぃじのひとり言
私は、38年間放射線技師として勤めておりました。一見何の問題もなくX線フイルムからモニター診断へ変わっていきました。 実際には、私の知らないところで、解決しなければならない問題がいっぱいあったようです。 また、メーカーの人が普通に話している用語が分からないけど、今更聞くのもちょっと… そんな事をまとめてみました。個人的見解が多く訂正しなければならない部分もあると思います。
何か参考になれば幸いです。
プリズム・メディカル 小田原好宏


最初によく出てくる用語を簡単に説明します。

1.PACS て…なに?(初めてのPACS編)

用語説明だと…

画像保存通信システム
(Picture Archiving and Communication Systems)の略称です。PACSは、DICOM送信機能を持つモダリティから画像データを受信し、データベースに保存します。その後、DICOM画像ビューアなどのクライアントからのリクエストによって、特定の画像データを探し出してクライアント側に転送することができます。医用画像データの性質により、PACSの動作の安定性やデータの安全性が重要なポイントとなっています。

例えると…

PACSは、地方銀行です。集めたお金(画像)は金庫に厳重に守られています。お金の出し入れで利用するには、キャッシュカードと暗証番号が必要です。金額が大きくなると(画像情報の変更や削除)通帳と印鑑が必要となります。また利用者範囲はほぼ地方の住民に限られてきます。都会に出た人のために、都会支店(遠隔診断)があります。
最近“クラウド”という言葉をよく聞きますが、全国展開している大きな銀行と同じで、大きな金庫にお金を集中して、全国どこでも利用できます。


PACSに保存するのは…

法的に画像保存義務があるのは、画像診断部門(放射線関連の画像)です。他の医用画像の内視鏡、超音波等は、画像が保存されていなくとも、検査所見の保存のみでOKとなっています。法的はともかく内視鏡検査は、画像の重要性から古くから独自のシステムで、保存・参照を行っていました。超音波は未だに紙ベースの結果印刷が多いようです。最近は医療訴訟や苦情の対策として、全ての医療画像を保存していく傾向があります。放射線装置の発達が著しく、一度の検査で大量の画像が発生しています。大きな病院では、放射線画像とその他医用画像を分けてシステムを構築しているケースが多いようです。ユーザー側からすると同じ検索システムの中で必要なモダリティを選択検索し、同じ画面で参照できるのが使いやすい仕様と思われます。

2.DICOMて…なに?(初めてのPACS編)


用語説明だと…

Digital Imaging and COmmunication in Medicine
の略で、米国放射線学会 (ACR) と北米電子機器工業会 (NEMA) が開発した、CTやMRI、CRなどで撮影した医用画像のフォーマットと、それらの画像を扱う医用画像機器間の通信プロトコルを定義した標準規格のことである。

DICOMの医用画像のフォーマット
既にJPEG/TIFF/BMPなどの一般的な規格があるのになぜ、医用画像に規格が必要なのか? それは、DICOMの医用画像は、患者情報、検査情報、画像情報がひと固まりなったもので、DICOMデータ(ファイル)を解析すると患者ID、患者名、検査日時、検査方法、画像の縦横のサイズ、RGBのカラー画像なのか256階調のグレースケール画像なのか全てが把握できるようになっています。これらのデータの表現方法を規定しています。

DICOMの通信規格
DICOMでは通信方法、通信データのフォーマットが明確に規定されています。この規格に準拠することで、PACSがCT,MRIなどの検査機器との間でデータのやり取りができます。

例えると…

DICOMは、標準語です。デジタル画像のCTの普及が進んだ1980年代後半は、それぞれの装置に保存サーバを設置する病院が出始めました。同じ地方(メーカー)では、地方なまりで話しても何の問題ありませんでした。しかしMRが登場し、透視装置や一般撮影までデジタル化されると、それぞれでサーバを立てるのが無駄となってきました。でも一堂に会して会議をすると進行がうまくいきません。そこで会議(サーバ保存)中は、標準語(DICOM規格)で話すことにしました。しかし厳格な標準語は難しく、少しなまりが混じっています。たまに話が通じない(通信エラー)時があります。



3.MWMて…なに?(初めてのPACS編)


用語説明だと…

MWMとは、Modality Worklist Managementの略で、DICOM規格で規定されているワークリストのことです。 検査予約リストを一般的に病院のオーダリング情報を取得して、DICOM変換し、装置に直接情報を与えるものです。

MWMの利点としては…

医療事故に繋がるミスの防止であります。手入力で患者情報を入力する場合、人為ミスによる入力間違いの恐れが常に付きまといます。MWM機能を使うと、オーダーリングシステムから情報を引き出し、直接装置に伝わります。



4.電子保存て…なに?(初めてのPACS編)

用語説明だと…

医療機関は画像フィルム(電子カルテも同じ)を一定期間(5年間)保存しなければならない義務がありますが、電子的に保存することも可能になりました。電子保存する場合は、厚生労働省のガイドラインがあります。(医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.1版)

ガイドラインの中では3つの基準が示されています。これを一般的に電子保存の3原則といいます。
① 真正性の確保
故意または過失による虚偽入力、書き換え、消去及び混同を防止する。
作成の責任の所在を明確にする。
② 見読性の確保
情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。
情報の内容を必要に応じて直ちに書面にできること。
③ 保存性の確保
法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること。
診療録(カルテ等)は5年間。

サーバ容量が膨大になるのでは…経費が心配

サーバに保存する画像圧縮は、ある程度認められています!

復元可能なことが原則です。従って大きな画像圧縮はできません。最近は、JPEGロスレスやJEPEG2000などの高圧縮保存も認められ、サーバ容量にも余裕が出てきました。法的に保存義務と電子保存の3原則が規定されるのは、医科・歯科点数表の画像診断部門の画像です。他の医用画像は、かなり圧縮を加えてものでも可能ということになります。ただし同じビューワで見ようとする場合、他の医用画像にもDICOMタグを付けてあげなければなりません。つまりDICOM情報を作成するソフトがあれば、汎用の圧縮画像もDICOMビューワで一緒に観察することができます。

*サーバ容量は、導入前にしっかり調査する必要があります。最近はハードディスクの値段がかなり安くなっています。初期費用はある程度の値段は覚悟して、もし容量が足りなくなって足すときの値段を確認しておいてください!
*法的には可逆圧縮で許可された形式でなければ電子保存は認められません!最近は聞かなくなりましたが、な~んちゃって圧縮を推奨するメーカーがあったそうです。調査が入ったら査定を受けるかも…要注意!!

5.HISとRIS…なに?(初めてのPACS編)

用語説明だと…

HIS(病院情報システム)
病院情報システム(Hospital Information System)の略です。一般にオーダーリングシステム、医事会計システム、電子カルテシステム、各部門システム、物流や病院の維持サービスに係る諸システムなどの広範囲なシステムの総合体です。 基本的には、会計システム(レセコン)、オーダーリングシステム、電子カルテの3つが導入されています。電子カルテシステムは、情報量が多くその病院特有の仕様が必要なケースがある事もプラスされ、まだまだ満足するシステム構築が難しいようです。

RIS(放射線情報システム)
放射線情報システム(Radiology Information System)の略です。主に放射線機器による検査と治療の予約から検査結果までの管理を行うシステムのことです。オーダーリングシステムおよびPACSと連携して患者情報や予約情報などの内容を取得管理する部門システムです。 中~大規模病院では、RISを導入していますが、多くの施設では、PACSとオーダーリングの連携で運用しています。また、RISを導入した場合、超音波、内視鏡、眼底カメラなどの非放射線機器による検査と治療も一元管理することが可能です。

フイルムからモニターに変えようとするとき、カルテ(オーダーリングシステム)とPACSとの連携が最も問題となります。受け渡しする情報や接続、画像参照の状況を事前に十分テストして、病院ニーズと各メーカーのすり合わせが重要です。 長い間、ユーザーの立場でいましたが、問題があった時、各メーカーの擦り付け合いで早期の解決が無ければ全く困ったことになり、メーカーへの信頼もなくなります。 今はメーカーの立場ですが、新規導入の織には、ユーザー側から、全て含めたシステムとして購入したことを、きつく確認しておくことをお勧めします。



次にPACSを導入しようとしたとき必要となるものを、具体的に説明していきます。

6.初めてPACSに接続する時(X線フイルムで運用中の施設)

① 一般撮影装置のみです

PACS の他に購入 : CRまたはフラットパネルシステム、X線装置?
装置への接続料(対応メーカーにより相違)



PACS導入のメリット
・ 暗室や自現機は必要なし
・ 格段に参照まで時間短縮
・ フイルム購入必要なし→ランニングコスト削減
・ 診療報酬 デジタル撮影 68点 アナログ撮影 60点
・ 保管スペースを大幅縮小

接続料について
装置から画像をPACSに保存するためには、装置にPACSを登録する必要があります。接続によりDICOM通信が行われますが、お互いを認識するためにAEタイトルという固有の識別コードが必要です。殆どが新たに接続する側が接続料を支払います。メーカーや状況により金額が変わりますので、ユーザーサイドでの事前の確認が必要です。

② 透視撮影装置もあります

PACS の他に購入 : C透視撮影装置の更新 またはCapture装置購入
装置への接続料(対応メーカーにより相違)



PrismCaptuerは、装置購入までの暫定方法です。
透視撮影装置の透視機能だけを利用して、透視画像のビデオ信号を取り込みます。画像Captuer装置をお持ちの透視装置に接続することで可能となります。
欠点:直接X線撮影(フイルム画像)と比較して画質が落ちます。
利点:透視撮影装置の透視機能だけ使用します。リアルタイムの透視画像を 観察しながら、タイムロスがなくタイミングよく画像が得られます。PrismCaptuerでは、連写機能もあり、タイミングのずれは解消できます。



③ CT撮影装置もあります

PACS の他に購入 : CT装置のDICOM対応改造費
装置への接続料(対応メーカーにより相違)



*殆どの施設でフイルムレスが浸透しています。シャーカステンを持っていない施設も多く、情報提供のフイルムは歓迎されない傾向があります。またCDは貸出・返却の手間がいりません。



④ 古い超音波と古い内視鏡装置もあります。出来たら心電図やその他紙で結果を出す装置も・・

PACS の他に購入 : Capture装置、汎用スキャナー
装置への接続料(対応メーカーにより相違)
心電図は専用変換ソフトまたは汎用スキャナー



更に・・・病院の評判も高くしたい!(Prismの提案)
手術終了後、患者さんへの説明時に手術中のKey画像や手術前の画像をモニターで見ながら説明できたら評判はうなぎ登りです!
せっかく購入したPACSを最大限利用しましょう !!!



PACS の他に購入 : Capture装置
ビデオカメラセット(汎用でもOK!)





フイルムからモニターへ レントゲンあれこれ よくある質問…どうする